夏さんのちょっと怖い話

夏さんの近辺で起こったちょい怖な話を綴ったブログ

アルバイト先での出来事

母の実家で暮らしていた数年間。

家の近くのカラオケ店でアルバイトをしていました。

そのアルバイト先での出来事をお話ししたいと思います。

 

そのカラオケ店は、二階建となっていて、一階には私たちアルバイトが居る調理部屋と店長室、カラオケ部屋が数部屋。

二階はカラオケ部屋と廊下の一番奥にトイレがあるだけでした。

 

その日は平日で、男の子のバイトの子が1人と、私と、副店長か店長のどちらかが勤務していたと思います。

副店長か店長は、調理部屋のすぐ横の店長室にいて、調理部屋には私とそのバイトの男の子しかいませんでした。

客入りが悪く、とてもヒマな日でした。

 

「このカラオケ店の怖い話があるんだけど、聞いた事ある?」

 

「ううん、無いよ」

 

「まじで怖いけど、聞く?」

 

「うん」

 

その子はどうやら私を怖がらせたいようで、ニヤニヤしながら、そのカラオケ店にまつわる怖い話しをし始めました。

 

「このカラオケ店、昔は布団屋だったんだけど、その布団屋、経営が悪化して、潰れちゃったんだよね。

その後に、このカラオケ店が入って、建物はそのままで、内装を変えて使っているんだけど、布団屋の時の事務所は二階でさ。

実は、その当時の二階の事務所で、布団屋の社長、首吊って自殺しちゃってるんだよ。

だから、その社長の幽霊が出る、とか見た、って人が何人もいるんだけど、その二階の事務所、今のどの部屋か分かる?」

 

初めて聞く話しでしたが、合点がいきました。

このカラオケ店、二階は全体的に怖くて、1人での掃除や片付けがイヤで仕方なかったのですが、その中でも、一番イヤな部屋があったのです。

 

「分かった!20○号室でしょ!(←昔過ぎて、部屋番号まで思い出せません)」

 

「!!何で分かったんだよ〜(震える声)!

鳥肌立ったじゃないかっ!!」

 

「だって、二階は全部イヤな感じがするけど、あそこの部屋が一番イヤだから」

 

「誰かから聞いて、ほ、本当は知ってたんだろ?!」

 

「みんなに聞いてもらっていいけど、私にその話をした人って、誰も出てこないと思うよ。

今初めて聞いた話だし。

 

あ〜、これでスッキリした!

だからイヤな感じがあったんだー」

 

「やめてくれよ〜、こえ〜よぉ〜!

何だよぉ、怖がらせるつもりだったのに、俺の方が怖いじゃん。

これから俺、夜勤もやるのに(半泣き)」

 

と、私が怖がらずに相手を怖がらせたというオチまでついた嘘のような本当の話しが、当時の出来事。

それから暫くあとの事ですが、このカラオケ店は経営不振で母体のカラオケ店が潰れてしまった事もあり、閉店を余儀なくされました。

 

ただ、話しはこれで完了ではないんです。この出来事にまつわる事で、不思議な話があります。

ネットで怖い話を読んでいた時に、カラオケ店での心霊話が載っていたんです。

私が経験した話と似ているなぁ、なんて読み進めていたところ、違和感を感じました。

似ているなんてものじゃなくて、私が経験した話しそのものなんです。

この話は、今こそこうしてブログに上げましたが、ネットやその他怖い話とかにも投稿した事は無く。布団屋の社長が亡くなったくだりは、バイトの子達が知っていたとしても、実際に私が部屋番号を当てたくだりは、私とその男の子しか経験していない事なのに、そのネットの投稿記事は、投稿者である「私」が経験した話として載っていました。

すごく混乱して驚きました。どうやってそのネット記事に辿り着いたのか全く覚えていませんが、その後、もう一度同じ記事に辿り着く事は出来ませんでした。

 

不思議な出来事の上には、更に不思議な出来事がかぶさってくるんだなぁ、と感じた出来事でした。