建て替え前の家
昔の我が家は、築40年以上の古い家でした。
増築をしたので、半分は築30年程でしたが、けっこういろんな事が起こる家でした。
ラップ音は当たり前。
木造の家だから、木が乾燥して弾ける音がしても仕方ない、と理解出来ますが、新しく建てた我が家も木造ですが、あんなに頻繁に音はしないのが当たり前です。
そこかしこから毎日普通にラップ音がしていました。
酷いときは、金属音が鳴り響いたりして(トライアングルを鳴らした時に余韻があると思いますが、そんな音)、ビックリした事があります。
そんな我が家では、一番北側にある二階の部屋で寝ると、かなりの確率で金縛りにあうのです。
ただの金縛りであれば
「あ、またか」
と思うだけですが、一度とても怖い思いをした事がありました。
その部屋のベッドで昼寝をしていた時の事です。
「あ、来た」
と思った瞬間、金縛りにあいました。
金縛りにあう直前の感覚っていうのがありますよね。
そこまではいつもどおり。
金縛りにあって、動けないのもいつもどおり。
ただ、そこからがいつもと違いました。
なかなか金縛りが解けず、
「あー、今日は長いなぁ」
なんて考えていたら、突然、身体が沈み込むような感覚に襲われました。
徐々に下に引き込まれていく感覚が大きくなっていき、とにかく金縛りが解けるよう、どこか動け!と念じながら動かせそうな身体の部分に気持ちを集中させました。
気持ちは焦るばかりで、怖くて心臓がドキドキし、身体が半分以上沈み込んだところで、ようやく金縛りが解け、ガバッと飛び起きました。
一秒たりともその部屋に居たくなくて、大急ぎで階下に降りて行きました。
数年後、母と姉とその部屋で話していたところ、どんな流れだったのか覚えていませんが、
「この部屋で寝るのはイヤなんだよね。金縛りにあうんだもん」
と言ったところ、母も姉も
「えっ!夏も?!」
と。
2人とも、私と同じように、下に引きずり込まれるような金縛りにあったと。
母にいたっては、腕を掴まれたとの事でした。
怖いですね。
何なのでしょうか。
その部屋の真下の部屋は、土間になっていまして。
土間には空井戸があったのですが、自分としては、その空井戸が原因だったのかなぁ、と思っています。
ですが、もっと昔。
祖母が嫁に来たくらいの時は、土間だったところは、飼っていた家畜の屠殺場だったとも聞きました。
建て替える時に、井戸は息抜きをきちんとしまして、埋めました。
今は新しい家が建っていますが、今の家では金縛りにはあいません。もちろんラップ音も、ありません。
設計の段階から良い家になるな、と思っていましたが、本当に変な事も起こらない良い家が建ちました。
怪現象の起こらない我が家は最高です。